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昭和62年、まだバブルの時代に、箱根で温泉宿の“価格破壊”を断行したのが『一の湯』。宿泊代2万円以上が相場だった当時、無駄を省き、労働効率と客室稼働率を上げることで、およそ半額の1泊2食1万円以下を実現した。
近年は、箱根エリアに『一の湯グループ』の運営する旅館・ホテルが8軒まで増え、そのスケールメリットを活かしたアメニティや食材の一括購入などが進み、各宿の予約もセンターでまとめて受けるシステムにして、さらにもう一段、コストダウンが進んだ。
「低料金を追求する分、満足度という点で期待ができないのでは……」と心配されるかもしれないが、これがまた、訪れてびっくり! 客室もお風呂も創業370年という老舗に相応しい風格を備えているのだ。館内には明治から昭和初期までの貴重な建築様式が残り、『レストラン神山』は大正11年に造られた77畳の大広間をリフォームしたもの。貸切の家族風呂は、イタリアから輸入された大理石を使って大正6年に造られたものだ。この家族風呂を一部屋ごとに30分貸し切り、しかも無料で使えるというので、またまた驚いてしまった。
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