彼女たちが作るのは、昔から祭事でふるまわれてきた伝統料理をアレンジしたもの。その日の料理当番が食材集めも担当する。近所の農家から野菜を調達したり、山菜などは自ら山で採ったり、当番は朝から大忙しだ。昼から夕食の準備に入るのも一品一品を丁寧に作るため。
「出汁はいりこと昆布と椎茸でたっぷりとります。煮しめも、野菜ひとつひとつを別々に煮るんです。たとえ宿泊客が1日1人であっても手は抜きません」と、開業当時からのベテラン料理担当大木初枝さん。
「最初はお客さんの前に出て話すのが恥ずかしくてしょうがなかったんです。あんた行ってよ、とみんなで譲り合い。今は、こうしていろんな話ができるのがとても楽しい」と笑う。
「こんな田舎に人が集まるのか?」という声もあったが、ふたを開ければ昼食も含めると年間2000人以上が訪れる人気宿。収益はもちろん黒字だが、何より大木さんたちがキラキラと輝いているのが印象的。それは、自分たちが頑張っていることがちゃんと評価されているという自信に他ならない。
※石畳の宿には、家族風呂(温泉ではない)があります。
『自遊人』2005年5月号より転載 |
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天ぷらは15~20種類くらいの山菜や野草、花をカラリと揚げる。
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すしは祭事で作られる定番料理。この日は山菜ずし。この他にも白和え、煮しめなど、家庭的な郷土料理が並ぶ。
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