|
源泉は宿から200mくらい上方にあって昔ながらの湯桶で引いているが、季節によって大きく温度が変わる。夏場と雪解けの季節では48度から40度以下と約10度近くの差があり、扱うのが難しい。冬場のみ加温することがあるが、基本は湯口から注ぐ湯量の増減だけで温度調節だ。できるだけ自然に近い湯を、とのこだわりである。
この湯の特徴は、硫黄成分の濃さ。全国の硫黄泉を調査した海軍病院の院長、神林博士が「全国一の有効温泉」と太鼓判を押したほどだ。
浴槽内は鼻をつくような濃厚な硫黄の匂いが立ちこめている。これでも途中でガス抜きしながら引いているというのだが……。
「あまりにガスがすごくて、通常の換気扇ではすぐに壊れてしまうんです。だから、ステンレス製の特別仕様でこしらえてもらいました」と、宿主は笑う。パソコンは半年、テレビやエアコンは1年でダメになってしまうそうだ。
「それほど成分が濃いので、あまり長湯はお勧めしません」とのこと。こまめに数回に分けて入るのが良さそうだ。
自然豊かな場所なので、カモシカやリスなどが山からこっそり顔をのぞかせることもある。この自然との一体感は、都会では味わえない魅力。
※自遊人2006年12月号別冊『温泉図鑑』より転載
|