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昭和20年の9月には米軍のGHQによって花巻温泉の全旅館と共に接収されたという危機もあった。しかし、先代が土足での立ち入りを許さなかったために今でも当時の面影を壊すことなく保存されている。
さて、肝心の温泉だが、ここの内湯は家族風呂を合わせて3つ。『天然岩風呂』と大理石風呂の2つの浴場は半地下にある。というのも、台温泉は平地が少なく、この風呂も岩盤をくりぬいて造ってあるからだ。『天然岩風呂』は大きな岩を配した野趣溢れる造り、『大理石風呂』はすっきりと落ち着いた感じの石造りと対照的な趣。男女交代制なので、両方の雰囲気が楽しめるのも良い。
泉質は単純硫黄泉。昭和30年頃までは、『天然岩風呂』の湯船の底の岩盤から源泉が湧いていたが、残念ながら枯渇してしまった。今は、100mほど先にある共同源泉から引湯しているという。少し熱めの湯ながらピリピリしない不思議な肌触り。無色透明で湯上がりは肌が若干ヌルっとした感じがする。
建物良し。湯も良し。温泉町といっても歓楽的な要素は全くないが、この素朴さがかえって温泉好きの心をくすぐる。純粋に“湯を楽しむ”そんな温泉旅の原点を振り返りに足を伸ばしてみてはどうだろうか。
※自遊人2006年12月号別冊『温泉図鑑』より転載
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