古き良き湯治場風情を守る『積善館』は、本館の玄関部分が日本最古の湯宿建築として県の重要文化財にもなっている。元禄の昔から建っているというその佇まいといい、本館へと渡された赤い橋といい、アニメ映画『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせる。
「映画のモデルらしいと噂を聞きますが、本当なのかどうか私も知らないんです」とは副社長の黒澤さん。
しかし、映画公開から2年後のある日、宮崎駿監督が友人たちを大勢連れてこの宿を訪れたことがある
「宮崎監督は『トイ・ストーリー』のジョン・ラセター監督と仲良しだそうで、2人して露天でガマン大会をしていらっしゃいました(笑)。モデルかどうか結局聞きそびれたんですけど」
大小19もある浴槽のうちで最も素晴らしいのは、大正浪漫を感じる『元禄の湯』。大正5年に建てられたもので、男女別の広い浴槽には各々5つの浴槽があり、すべて源泉かけ流し。滔々と溢れ出る湯をみれば湯量の豊富なことは一目瞭然だが、『元禄の湯』の全浴槽がたった40分で溢れるというのには想像が追いつかない。ちなみに、毎分900リットル以上、ドラム缶なら4本半にあたる。 |