せきざわ【長野・小布施】

真打ちを求めて信州へ。
自家栽培、有機栽培にこだわった本物。

　さて、蕎麦と言えば信州、その中でも「唸るほど美味しい」おすすめの店といえば、『せきざわ』だろう。もともと群馬県のにあった名店だが、平成17年12月に故郷の長野県栄村にも近い小布施に移転した。
　この店の特徴は、使用している蕎麦の7割もの量を自家栽培していること。
最近では「そばの自家栽培を始めた」という店の話をあちこちで聞くようになったが、主人の関沢賢治氏はなんと蕎麦屋を始める前から自家栽培を始めていたという。

自家栽培歴20年。
畑の総面積は3600坪！

「もう20年も前のことです。手刈り天日干しはどんどん減っていましたし、有機栽培もほとんどなかった。だったら自分がやろう、と。実家は農家だし、栄村はそば栽培の適地ですから」　
ご主人は、高崎に店を持ったあとも往復五時間かけて畑に通い、そばを育ててきた。しかもその面積が半端ではない。なんと一町二反歩（約3600坪）！
「だから高崎時代は収穫時期の10月の平日はほとんど休業状態。今もあんまり変わらないけれどね（笑）」
そんな自家栽培の蕎麦の味はといえば……香りも甘みも群を抜いている。つゆもいい（とくにだしがいい！）。居心地も悪くない。

本場信州へ移転して2年半。
いきなり信州蕎麦の真打ち昇進？

『おぎのや』『いけ野』のような志の高い店がここ数年で各地に開店し、さらに『丸富』『ふじおか』といった独自の世界観を持った信州二大峰に『せきざわ』が加わり……。
名物に美味いものなし。でも「信州蕎麦には美味い店あり。しかも急増中」だ。