料理も温泉も満足できる宿

岩井屋【鳥取・岩井温泉】

仕事柄、あちらこちらの宿を泊まり歩く機会に恵まれています。訪ねた宿は全国各地、北から南まで数知れず……。でもその中で、「もう一度泊まりに来たい!」と心から思える宿は、実はかなり限られていたりします。今回のシリーズでは、そんな上質な宿をご紹介していきます。「旅館の料理は……」なんて思っている方も、ぜひご注目を! お腹いっぱいおいしい料理を食べて、温泉に浸かって、そのまま布団にゴロリ……なんていう幸せが味わえるのも、宿ならでは。それではさっそくどうぞ!


飛行機代をかけても満足できる!
旬の松葉ガニを味わいに鳥取へ

 鳥取県、岩井温泉にある「岩井屋」をご紹介します。こちらは木造3階建ての風情あふれる温泉旅館。私が編集長を務めている雑誌『自遊人』の人気企画「温泉パスポート」にも、何度も参加してくれています。1泊2食は15,900円〜。料理には、地元、岩美町で揚がる魚をふんだんに使っていて、どれも美味しいのなんの! 11月初旬のズワイガニ解禁以降は網代港で揚がる松葉ガニのコース料理が楽しめます(カニ料理のコースは1泊2食31,800円から)。

料理だけではなく温泉もすばらしい!
わざわざ足を運びたい名宿

 この宿は、もちろん温泉も素晴らしい!! この宿の風呂は、湯船の底から「ぷく、ぷくぷくぷく」と温泉が湧いているのです。一度も空気に触れず、湯船に満たされたお湯は新鮮そのもの。温泉は空気に触れると同時に劣化するものなので、このような足下から湧出する温泉は、温泉の中でも超一級品なのです(これだけ温泉天国な日本でも、足下から湧出する温泉はそんなに多くはありません)。

 木造3階建ての建物とはいえ、館内は改装済み。古き佳き情緒と現代の快適さを併せ持つ宿なので、居心地も抜群です。  唯一の難点は東京からも大阪からも遠いこと。でもここは、飛行機代をかけて行っても満足できる宿。深海魚の「ばばちゃん」(タナカゲンゲ)を使った鍋料理も魅力です(ばばちゃん鍋を食べたい場合は予約時に必ず確認を)。

旬の松葉ガニをお腹いっぱい。極上の温泉にざぶん!
これぞ宿の醍醐味

 幕末の頃は、蒲生川沿いに多くの湯宿が並び、温泉街としての賑わいを見せた岩井温泉。ところが、昭和9年の大火でそのほとんどが焼失。『岩井屋』はその後、再建された宿のうちの一軒です。 宿の名物は湯船の底から源泉がふつふつと湧く『長寿の湯』。開湯当時から続く歴史ある湯で、露天風呂も併設されています。もう一方の内湯『祝いの湯』とは、夜8時に男女入れ替えになるので、1泊してふたつの風呂を楽しんでみては?


岩井屋【鳥取・岩井温泉】
所在地:鳥取県岩美郡岩美町岩井544
TEL:0857-72-1525
宿泊料金:1泊2食/15,900円から(休前日3,000円増)
施設:和17室(BT付2室、T付15室)、男女交替制内湯2、男女交替制露天風呂1、貸切風呂1
チェックイン:15:00
チェックアウト:10:00
電車でのアクセス: JR山陰本線 岩美駅からタクシーで約7分
車でのアクセス:中国自動車道 佐用ICから国道373号、53号、9号経由で約2時間。中国自動車道福崎ICからは播但自動車道、国道9号経由で約2時間
地図:Google マップ
HP:岩井屋
予約:要予約
(2009年12月2日更新)
冬になったらぜひ味わいたいのが旬の松葉ガニ! カニ刺しから焼きガニ、茹でガニなど、たっぷり堪能できる。
足下から源泉がわき出る『源泉長寿の湯』。鮮度が抜群の温泉を楽しめる、全国でも貴重な湯のひとつだ。

夜8時で男女が入れ替わるお風呂を両方楽しむなら、やっぱり宿泊がおすすめ。