トップページ もう一度泊まりたい宿 第7回 民宿いけしょう 【長野・野沢温泉】

第7回 野沢温泉で見つけた、とっておきの隠れ家。

民宿いけしょう 【長野・野沢温泉】

 今回紹介するのは、野沢温泉の民宿『いけしょう』

ここは私のまさに「とっておき」です。
なにがとっておきって……。

なにしろ風情がよくて、料金が安い。
まさに野沢温泉の隠れ家、といった風情なのです。

野沢にはもう一軒、お気に入りの宿『村のホテル住吉屋』があるのですが、ここはかなり有名ですし、料金も1万円代後半。

一方、『いけしょう』は1泊2食で8,700円。

住吉屋1泊分で2泊できてしまうのです。
(って、単純に比較できるものではありませんが。住吉屋もその内容を考えるとかなり安いですから)

外湯は温泉街に13カ所
しかもすべて掛け流し!


もともと野沢は民宿を中心に発展してきた温泉地。

現在でこそ中堅規模の旅館が何軒もありますが、他の有名温泉地(草津や有馬など)と比べると、旅館の規模はかなり小規模です。

13箇所の外湯(共同浴場)を中心に宿が並び、内湯をもたない宿も残っています。

「内湯を持たない宿なんてあるの?」

という声が聞こえてきそうですが、ちょっと昔までは当たり前の話。民宿ならもっと当たり前で、ここ『いけしょう』もそんな一軒。

宿泊者は下駄をならして共同湯まで歩きます。

宿の目の前は洗濯湯、さらに『上寺湯』があって、さらに歩いて1分ほどの場所には『熊の手洗湯』、4~5分も歩けば、泉質抜群の『真湯』、また、野沢のシンボル『大湯』などもあります。

なかでも『真湯』と『熊の手洗湯』は、温泉ファンのなかでは有名な共同浴場。

『真湯』は緑色に濁る不思議な湯で、一方の『熊の手洗湯』は日によって白く濁る、白い湯の花が舞う湯。

宿に内湯はありませんが、温泉好きならむしろ情緒を満喫できて大歓迎のはず。(共同浴場にはシャワーがないので、女性はちょっと不便かもしれませんが)

こんな素朴さも野沢温泉の魅力なのです。
築100年以上の小民家を再生した宿。部屋の間仕切りはふすま、あえて内湯は備えないという、昔ながらのスタイル。風呂は温泉街に13箇所ある共同浴場を利用する。

モウモウと湯気をあげる湯畑『麻釜』(おがま)。地元では茹でものをする時に"茹で釜"として日常的に利用。野沢菜シーズンには恒例"お菜洗い"の姿も見られる。

温泉街の中心、大湯通り。土産物屋をのぞきつつ、おやきをはぐはぐ。そして外湯めぐり……。浴衣でそぞろ歩きが楽しめる。