旬の酒菜のなかに 松之山伝統の味を織りまぜた里山会席
松之山温泉名物“棚田鍋” ところで、平場のない松之山は、美しい棚田の里としても有名で、千載一遇の景色を求め、全国から多数のカメラマンが訪れます。 緑の絨毯を敷いたような夏の棚田もきれいですが、冬の棚田の美しさは格別。初雪の日、ふんわりと積もった雪をポトン、ポトンと抱いた棚田の表情はやさしく、とても風情があります。
この風景を鍋に見立てたのが、夕食の中盤に登場する松之山温泉名物『棚田鍋』。このお鍋はコシヒカリの重湯をベースにした鍋で、重湯のスープの中に松之山産の野菜をたっぷりと入れ、その上に、雪に見立てた大根おろしをのせていただきます。コシヒカリはもちろん松之山の棚田米を使います。 松之山温泉の名物として、寒い季節になれば、温泉街のほとんどの旅館で食べることができますが、スープにコシヒカリの重湯を使うこと以外は、旅館それぞれにオリジナルのレシピがあります。
ちなみに千歳オリジナルの棚田鍋は、かつおだしを加えたスープに、白菜、にんじん、れんこん、しめじなどの冬野菜と妻有ポーク、そこにコシヒカリのおこげを入れ、最後に大根おろしを入れていただきます。 このコシヒカリのおこげが味のポイント。スープはとろみのあるおとなしい味わいなので、コシヒカリのおこげが入ると味に締まりが出て、格段に美味しくなります たれは、ポン酢とかぐら南蛮味噌。かぐら南蛮は、主に新潟県中越地方で作られている夏の伝統野菜で、ピーマンのような形をしており、ピリッとした辛みが特徴です。かぐら南蛮味噌は、かぐら南蛮を細かく刻み、味噌やかつお節といっしょに炒りながら練った調味料のこと。松代・松之山地域では、家庭で作ることも多く、代々続く「わが家の味」がある家も。夏の定番ともいえる調味料です。
さて、このかぐら南蛮味噌ですが、炊きたてのコシヒカリにのせて食べると、これがまた美味しいのです。棚田鍋のあとには、千歳の料理長が松之山の棚田で育てたコシヒカリが登場しますので、ぜひお試しください。
春は山菜、夏は伝統野菜、秋はコシヒカリの新米に、冬は棚田鍋。千歳では、松之山に来てこそ食べられる里山料理を楽しむことができます。 その一方で、お刺身や前菜、茶碗蒸しなど、旅館料理の定番も登場。そのどちらも出てくるので、品目は多く、夕食は相当なボリュームがあります。 「いい温泉の湧き出る旅館で、ごちそうを食べて、快適に過ごしたい。郷土料理があれば、なおのことうれしい」という人には、とてもおすすめの宿です。