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宝巌堂 Ho-gan-dou
雪国A級グルメ総合評価 

新潟県魚沼市・栃尾又温泉
関越自動車道小出ICから国道352号経由で約25分
JR上越新幹線浦佐駅からタクシーで約30分
JR上越線小出駅からバス「栃尾又温泉行」で約30分、栃尾又温泉下車




1. 地元の魚沼野菜をたっぷり使ったお総菜が楽しめます。
2. 芋から練ったこんにゃくや自家製果実酒など、手作りのものを使っています。
3. 連泊しても食べ疲れない食事。丁寧に作られた家庭料理です。


魚沼野菜を使った若女将の季節料理
“わが家のお総菜風”

長湯のあとには、こういう料理が食べたかった
 旅館の華やかな会席料理を期待していると、ちょっと意表をつかれるかもしれません。宝巌堂の料理は、山菜や野菜たっぷりの素朴な里山料理。丁寧に作られたわが家のお総菜といった小鉢が次々に運ばれてきます。しかし、これが実に栃尾又温泉のお湯に合うのです。

 宝巌堂のある栃尾又温泉は、古くから天然ラジウム温泉が湧き出る湯治場として愛されてきました。温泉に含まれているラジウムの量は、日本第2位ともいわれています。人肌と同じ37度の温泉は、湯船に手を入れると一瞬「冷たいかな」と思うほどぬるいお湯。しかし、じっくり1〜2時間も浸かっていると、体の芯からぽかぽかと温まり、さらさらの汗をかいてすっきり爽快。湯治の常連さんは湯船で本を読んだり、顔見知りの人と話をしたりしながら、大抵2〜3時間は出てきません。

 その湯上がりに楽しみたいのは、食べきれないほどの品数が並ぶ会席ではなく、野菜たっぷりの滋味あふれる家庭料理。そんな体の声に、宝巌堂の料理はやさしく応えてくれます。
 この日の夕食は、サトイモのごま味噌和えや大豆のかき揚げなど、地元の野菜を中心としたメニュー。
 お米は隣町の湯之谷で栽培した魚沼産コシヒカリです。野菜は湯之谷や小出で栽培されたものを中心に、なるべく近いところから取り寄せています。春には近くの山で採れた山菜、夏には梨なすや夕顔など、新潟の伝統野菜を使った季節料理が食卓を飾ります。
 加工食材へのこだわりも強く、豆腐は県内産大豆100%を使用したもの。こんにゃくは若女将の叔父さんがコンニャクイモから練った自慢のこんにゃくです。市販のこんにゃくとは比べものにならない美味しさ。柔らかで口当たりがやさしく、味がよく染みこんでいます。
 「素材を吟味し、丁寧に作られた加工食品は格段においしくなります。加工食品はとくに、出所のわかる安全なものを使いたいですね」。

 少し気になったのは、調味料のこと。5年前に調味料を大幅に見直し、質のよいものに一新したそうなのですが、今はまだ無添加・天然醸造の調味料と化学調味料入りが混在しています。
 その一方で、だしは素材から丁寧に引いているのですから、調味料が無添加のものに統一されれば、どんな美味しさが生まれるのだろう、と思わず想像してしまいます。地元の新鮮な食材を、だしと無添加の調味料を使って、丁寧に調理したお総菜なんて、最近ではなかなか食べられない貴重な料理。それこそ、“永久に残したい本物の味”です。
 「第一次調味料革命から5年たったいま、また見直しをはかる時期なのかもしれないですね」。
 若女将の言葉に、宝巌堂のこれからの展開に期待がふくらみます。

朝食は厨房に直結したダイニングにて。宝巌堂流では、朝はいつも野菜のたっぷり入った具だくさんの味噌汁を出す。地元の「とっとこ卵」を使っただし巻きたまごや根菜の煮物など、気取らず、丁寧に作られたお総菜が並ぶ。


宿泊時の夕食例
ごちそうプラン 夕食
一泊2食付き、一名様15,900円のコース。野菜が好きで、ちょっとずついろいろな野菜料理を食べたいという人にうれしい献立。

1. ごぼうサラダ
ゴボウとタマネギのみじん切りをマヨネーズと粒マスタードで和えた一品。カリカリベーコンが風味をプラス。
2. 地場産小松菜と油揚げの醤油炒め
魚沼産の小松菜と県内産大豆100%の油揚げを醤油でさっと炒めたもの。豆乳、豆腐、油揚げはすべて地元の立場豆腐店から仕入れている。
3. おじさんの手作りこんにゃく辛味煮
コンニャクイモから練った自家製こんにゃくを甘辛風味で。手作りのこんにゃくは食感も味も市販のものとは比べものにならないくらい美味。
4. おからのじっくり煮
おからを弱火で一時間ゆっくりと煮込むことで、しっとりとした食感に。桜えびと小口ネギを必ず入れるのが宝厳堂流。ごはんによくなじむ。
5. 地場産サトイモのごま味噌和え
魚沼産のサトイモをごまと無添加の味噌で和えたもの。やさしい味わいで日本酒との相性もいい。
6. 美雪ますのカルパッチョ
八海山の清流で育った美雪ますを、エルブ・ド・プロヴァンスとごま油でカルパッチョに。大葉、梅干し、小口ネギ、明太子の薬味をかけてさっぱりといただく。
7. 村上産塩引鮭
鮭の産地として有名な村上の鮭を塩引きで。ごはんがほしくなる。
8. 佐渡産ナガモの酢の物
食事の後半に入る前に、酢のものでさっぱり。
9. 大正金時豆のチリコンカン
大正金時豆をやわらかく煮て、そこにタマネギと合挽肉、トマト、チリパウダーを加えて煮込んだ品。クミンとオレガノを隠し味に。
10. 地場産大豆のかき揚げ
大豆の甘みが楽しめる一品。大豆は若女将の叔父さんが栽培しているもの。
11. 越後もち豚の豆乳しゃぶしゃぶと馬場さんのコシヒカリ
越後もち豚、えのき、油揚げの細切りを、豆乳のしゃぶしゃぶでいただく。越後もち豚は新潟の銘柄豚で、柔らかくもっちりとした食感が特徴。最後の締めに、お好みでコシヒカリを加え、雑炊にしていただく。コシヒカリは、地元湯ノ谷の田んぼで育てたコシヒカリ100%。

宝巌堂では、ずっと前から生産者の顔が見える食材を選んできました。顔が見えない場合には、できるだけ地元産、それが無理ならせめて県内産。どうしても見つからない、または品質的に合わない食材は国産のものというように。馬場さん家のコシヒカリ、叔父が作った枝豆や自然薯、越後一味噌の無添加味噌、緑川酒造の日本酒、ヤミー工房のアイスクリームなどなど、魚沼には自信を持って伝えられる美味しさがいっぱいあります。期待を超えるような美味しいものを、これからも探していきたいと思います。
宝巌堂若女将 星 智子さん

宝巌堂の料理のベースは、家庭料理です。なので、一般的な旅館料理や会席などを食べたい方は、ほかの宿を探しましょう。まぐろやカニのお刺身、アートのように美しい前菜などは出てきませんが、その代わり、地元産の自然薯や里芋、地野菜をたっぷり使い、丁寧に作られたお総菜を楽しめます。数日滞在しても食べ疲れない美味しさです。今回いただいたのは「ごちそうプラン」ですが、湯治で数日滞在したいという方には、料理品目が少なめの湯治プランもあります。女性一人でも大丈夫。連泊の場合は、食事をお部屋まで運んでくれます。
認定調査員 山岸


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